2007.05.25

甘く小さな嘘

 
「スイートリトルライズ」読みました。


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ひさしぶりの江國香織。
 
 
どれをとっても不満のない毎日があって。
それでもどこか、もの淋しさを捨てきれない。
その淋しさは、夫でも救える類じゃなくて、
そこでルリコはひとりの男と出会う。
 
 
瑠璃子とその夫・聡のお話。
瑠璃子は聡のことが大好き。
二人の愛は冷めている、というわけでもない。
でも瑠璃子はどこか淋しい。
夫といると、「時々すごく淋しくなる」。
「2人の生活には恋がない」と思う。
 

一方で、聡は大学時代の後輩に、
瑠璃子にはない魅力に引かれていく。
  
瑠璃子と聡はお互いに内緒で、
愛するひとに出会い、
もうひとつの居場所を見つける。
 
 
それでも、
瑠璃子は聡が着く前に家に帰る。
聡は必ず、瑠璃子の待つ家に帰る。

端的に言えば、浮気の話?W不倫?笑
 
でも、
相手に嘘をつくのは守りたいから。
「人は守りたいものに嘘をつく。あるいは守ろうとするものに」。
 

瑠璃子の浮気がバレなかったのは、
聡が瑠璃子の生活に興味を持たないから?
でも瑠璃子は聡と別れる気も、
愛人と逃げる気もさらさらない。
聡の浮気がバレないのは、
嘘のほうが饒舌に話せるから。
嘘をつくことで、夫婦の関係はうまくいく。

守りたいからこそつく嘘も、あるんだ―――。

なんて都合のいい話だ!とも思う。 
 

ある人は、 「こんな夫婦は破綻だ!」とか、
「崩壊まで時間の問題だ!」なんて言うかもしれない。

でも、あたしはそこまで否定できなかった。
相手を思っての嘘なら、それも愛かなあ。
 
でもやっぱり、
キッパリと嘘をつくことは、あたしには出来なそうです・・・。
  

正直でいることが、いつだって正しいことだとはいえないよ。
正直でいることは、凶器にだってなるんだもんね。
 

「甘く、小さな嘘だ」と、
穏やかに許してあげられたらいいものです。
 
 
江國香織の小説は、狂気じみた感情がズキリとくる。
私達の秘めた感情を代弁してくれるかのよう。
だからこそ、共感してしまうこともあって、
何度も彼女の本に手を伸ばしてしまう、と思います。

「スイートリトルライズ」
最近のあたしの心境に近いものがありました(笑)

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2007.01.01

お正月マンガ

あけましておめでとうございまっす!
あたしは除夜の鐘をつき、初詣をしてそばをすする・・・
という過ごし方でした。まあいつも通りです。
去年より酒飲んだかなってくらいです。 
カウントダウンとか晴れ晴れしい年明けではなかったですが、
先祖に挨拶しておかないと後ろめたい性格なので。
 
 
大晦日に買い物行って、珍しくマンガ買いました!
浅野いにお作品でございます!!

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『虹ヶ原 ホログラフ』

世界の破滅のものがたり。
殺したり殺されたり傷つけられたり・・・。
10年前と現在を、物語の時代が交錯していて、
とにかく読んでてワケ分からなくなるけど、
物語を読み解くカギは明示されてて、じーっくり読みたくなる。
ぐーだぐだの正月にはぴったりです☆^^;
 

教えてもらった情報によると・・・
浅野いにおの作品がくるりの曲のタイトルになってたり
するんだよねえ!『すばらしき世界』を読めばいいのよ!!
くるり好きには一読の価値ありかも!!この人!
 
 
小説も良いのですが、マンガも気になる正月。
浅野いにお!日本橋ヨヲコ!エヴァンゲリオン!!
エヴァンゲリオンってみんなが絶賛してるけど、
あたし読んだこともないんで、読みたいなあと考えております。
いにおとヨヲコはもう、家に置いておきたいマンガ!!
精通している人には、王道のマンガです・・・(汗)
これぞ!という作品教えてくれるの待ってまっす!!

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2006.09.17

「モンテロッソのピンクの壁」

バイトの帰りに本屋さんに。
読みたいと思ってた本は見つからなかった・・・。
けど目についた本にグッと来たので買ってしまいました!

 

「モンテロッソのピンクの壁」
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江國香織=作 荒井良二=絵  (集英社文庫 2004)
 

 

うす茶色の猫ハスカップは旅に出る。
いつも夢に出てくるピンクの壁があるところ、
“モンテロッソ”に旅に出る。
雄々しく、勇敢に、そして軽やかに。
 
『何かを手に入れるためには
  何かをあきらめなくちゃいけないってことくらい、
                     私はよく知っている』
 

 
50ページ程度の文庫サイズ絵本。
ハスカップの気取った口調とか
ただのおとぎ話じゃない毒のあるところが
江國香織らしくてすき。
『何かを手に入れるために――・・・・・・・・』
あたしもきっと何かをあきらめるんだ。
ハスカップがあきらめたものって??
しあわせを手にしたハスカップは、
ピンクの壁の茶色い猫型のしみになった。
 

モンテロッソへ、モンテロッソへ、モンテロッソへ行かなくちゃ。

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2006.07.06

「そうだ、京都に・・・」

三島由紀夫の『金閣寺』

ちょこちょこ読み進めて・・・やっと読み終わった。
途中から読み終えることが目的になってた感もあるけど・・・
でもそれなりにのめりこんでました 三島由紀夫ワールド?

難しい日本語たくさん出てきて、中には読めない漢字も・・・。

それでも読み終わって思ったことは
三島由紀夫って人は、情景描写がめちゃくちゃ丁寧で
その描写のためにつぎ込まれる言葉が綺麗なんだー
上品な言葉遣いってわけじゃないんだけども

すごい的確な言葉を使ってる。・・・と思う。
きっとその情景にはその言葉しか当てはまらないんだろうなー
と勝手に思いました(笑)

ただ目の前にある景色から意味を見出すなんて、想像力が半端ないなー。
実際本当に感じ取っていたんじゃないかってくらい丁寧で的確な情景描写。
しかも意味づけが何か「美」とかそんなんに絡んでる

しかし理屈っぽいとも言えるのかしら。
おじーちゃん、お父さん、自分・・・と3代で東大法学部卒だしっ
エリートだねえ・・・


まー読み応えありました。
共感したりしなかったり。

金閣寺が見たいなー。
今あるのと当時のでは全然違うのかもしれないけれど。
余韻に浸りたくなりました。
ホント、いつ行こう京都ー??笑

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